日本大学生産工学部 環境安全工学科

学科紹介

ドローン部

環境安全工学科では、将来、ドローンおよびドローンから得られたデータの利用を教育プログラムに組み込むことを目指して、学生が主体となって、ドローン部を立ち上げました。

一緒にドローンに触りつつ、将来必要な技術を身につけましょう!

ドローン部インタビュー

地球の環境や生活の安全について学び、環境にやさしい次世代の「ものづくり」を担うエキスパートを目指す生産工学部環境安全工学科。研究はもちろん、さまざまな部活やサークル活動も盛んですが、学生たちが主体となって「ドローン部」が新しく誕生しました。さらに、ドローンを使って学べる授業もスタート。いったいどんな部活動や授業なのか、ドローン部のみなさんと顧問を務める武村 武教授にお話しをうかがいました。

参加者

寺嶋天志さん

寺嶋天志さん ドローン部部長
生産工学研究科土木工学専攻 修士課程1年

伊東優貴さん

伊東優貴さん
生産工学部環境安全工学科 4年

大内海さん

大内海さん
生産工学部環境安全工学科 4年

武村 武 生産工学部環境安全工学科教授

ドローン部 顧問
武村 武 生産工学部環境安全工学科教授

まず、ドローン部が生まれたきっかけを教えてください。

武村 武教授(以下、武村教授):本学の学生は3年生のときに全員が必修科目として「生産実習」と呼ばれるインターンシップを行います。その際にさまざまな業界に行くのですが、一部のインターン先の企業で、自主プログラムとしてドローンに接することも出てきて、実務にも使われるようになってきていることを実感しました。私も2014年ごろから自分の研究の調査でドローンを試してきたこともあり、教育の現場にドローンを導入して、知識や理解を深められればと考えたことが、ドローン部を作ったきっかけです。

そこで、2017年に有志の学生に「ドローンに興味がある人はいませんか?」と声をかけました。それなりの人数が集まったので、団体を学科として認定して、フォローするために、あらためて「ドローン部」というものを学生が主体となって立ち上げたのです。

まずはドローンを扱うための安全教育や法律の知識、それとともに、やはり操縦を実践的に学んでもらいたいので、機体も揃えて活動が始まりました。今では学生たちが自分たちで計画して、活動しています。

対談の様子

ドローン部はどんな活動をしていますか?

寺嶋さん:毎週一回集まって、体育館で操縦の練習をしたり、オープンキャンパスなどのイベントがあるときは、自分たちで企画のアイデアや役割分担を話し合ったりしています。部員は14名で、女子も同じように操縦の練習をしています。自分も先輩から教わってドローンに興味を持ったので、さらに広めていきたいという気持ちがあります。イベントで、お客さんにドローンのことを話したり、操縦を体験してもらったりという場で「面白かった」と言ってもらえると、広める役割を担えているかな、という気がしてとてもうれしいです。

ドローンというと、ラジコンの延長のように飛ばしたり、上空から撮影した りといった印象を持つ人が多いと思います。ドローンは研究や調査にどのように役立ちますか?

武村教授:上空から撮影する写真が活用のベースになりますが、さまざまなセンサーで測定したデータを組み合わせることができます。例えば、地表の熱を探知できる熱赤外カメラや、太陽光の反射特性が物質によって異なるので,その強度を測定できるマルチスペクトルカメラなどを活用する事で、その場所を様々な角度から評価できるようになります。例えば、農業でいえば、生育状況や刈り取る場所が調査できたりしますね。ドローンは低予算でフットワークが軽く、現場で空撮できることがメリットです。

こうした調査に使うドローンの操縦は難しいのでしょうか?

寺嶋さん:僕は個人的には、再現性が大事だと思います。調査では目的があって飛ばすので、スピードや高度を守ることが大切です。誰がやっても、同じ軌道でちゃんと飛ばすことで、データの再現性が確立できます。ドローンは風が吹くと動きが変わってしまうので、きちんと決まったルートを飛ばす、というのは練習が必要になります。ドローン部で練習すればするほど上手になるのは楽しいですね。

ドローン部の方々はご自分の研究テーマでも、ドローンを活用しているのでしょうか?

大内さん:私は、永村先生(永村景子専任講師)のゼミに入っていて、鹿児島県にある「宮人川ビオトープ」を、管理者であるNPO法人と連携して、地域の子どもたちが環境を学びながら楽しめる施設へと生まれ変わらせる研究をしています。地元の高校生に協力を呼びかけ、企画提案や社会実験を進めています。ドローンを使って、このビオトープの写真を30メートル上空から90枚撮影して、オートデスク社の「Recap photo」や「Recap pro」というソフトで、地形を3Dモデルにしました。高低差がある地区なので、立体のほうが高校生たちにわかりやすく説明できます。例えば、このエリアは蓮が生えているエリアのはずなのに、ヨシが侵略して増えてきているといった、環境の変化もデータや写真から発見できます。ドローンはこれまではできなかった、新たな体験ができるというのが面白いですね。

30メートル上空から撮影

精細な3Dモデルができることに驚きました。伊東さんと寺嶋さんはどんな研究をされていますか。

伊東さん:私は機械系の今村先生(今村 宰准教授)のゼミに入っています。衝撃波の構造に関する実験をして、次世代の航空機エンジンや、爆風の影響評価への応用などを目指して研究をしています。研究はドローン部とは直接は関係ありませんが、機械に強いのでドローンが壊れた時の修理を担当することが多いですね。オープンキャンパスでドローンの体験会をしたときに、あまり知られていないドローンの活用方法を知ってもらえるというのがいちばん嬉しかったです。

寺嶋さん:私は現在博士前期課程で、鵜澤ゼミ(鵜澤正美 教授)にいます。セメントが製造される段階で、大量の二酸化炭素が排出されてしまう問題を研究しています。製造の段階では、化学的な要素が強いですが、固まって完成すると次は強度を調べる物理学の分野になるという、複合的な研究をしています。どうやって、強度や施工性を維持したまま、二酸化炭素を減らせるのか、環境への影響を調べています。

お三方とも「環境」がキーワードになっている研究をしているんですね。やはり環境安全工学科の特徴でしょうか。

武村教授:近年、「環境」というキーワードに企業も社会も、大きな興味を持ち始めていますが、その「コトバ」に対するイメージは多岐に渡ります。例えば、私がイメージする環境、例えば、ある企業がイメージする環境、例えば、そこを歩いている人がイメージする環境というのは違っていて、当然、それぞれの業界で違うんですよね。この学科は、さまざまな分野に環境や安全といったキーワードを横串のように入れて、学べることを目指して作られました。

既存の工学系の学科ですと、機械工学や土木工学、建築学など,長い歴史を持っている、昔からある体系化された学問を学ぶようなところが中心でした。例えば、機械系の学科では「4力学(熱・材料・機械・流体)」を基礎として機械の設計・製作や材料加工、計測・制御などを学び、機械製品のメーカーへ技術職や研究職として就職する、といったオーソドックスな進路が想定されます。

一方、環境安全工学科は、機械工学と土木工学と化学の3学問分野をベースとしています。そのため「設計」は機械設計と土木設計という2つの視点から学べて、「材料」は機械的性質や化学的性質、物理的性質や電気的性質などあらゆる側面から学びます。1つの事象に対して複数の専門分野の知識を得ることで、ある部材について考える場合に、部材が用いられる環境に応じた材料の選定や改良、資源の循環や省エネルギーといった、様々な視点から検討・提案ができるエンジニアの素養が身に付くことが、他学科にはない、環境安全工学科の特徴です。卒業生の進路も多岐にわたり、製造や設計、調査・分析からコンサルティング、公務員や教員など、環境や安全にかかわる業界・職種の第一線で活躍しています。

様々な視点から検討・提案ができるエンジニアの素養が身に付くことが、他学科にはない、環境安全工学科の特徴です

環境問題やエネルギー問題を多角的に学ぶことができるんですね。授業ではドローンはどのように活用されているのでしょうか。

武村教授:ドローンの授業は私や永村先生が担当しており、今年から2年生必修科目の「環境安全工学実験Ⅰ」や、3年生必修科目の「プロジェクト演習」に取り入れています。特に3年生の「プロジェクト演習」は課題解決型の演習授業で、ドローンでのデータ取得・活用に興味を持つ学生が集まります。「実籾キャンパスの第二グラウンドをリノベーションするとしたら」をテーマに6つの少人数グループに分かれて、企画、調査、提案をまとめ、発表します。ドローンで取得した、照度、距離、地表の温度などの環境データをどう応用するか、撮影した場所をどう評価するかを、授業を通じて学ぶというものです。

寺嶋さん:ドローン部の部員はドローンを使う授業の際は手伝いをしています。調査エリアに人が入ってこないように見張りをしたり、ヘルメットやゴーグルを着用させたりと、特に安全面には十分に注意しています。

<ドローンを使ったプロジェクト演習の授業風景>

ドローンの授業風景 ドローンの授業風景 ドローンの授業風景 ドローンの授業風景

ドローンで取得したデータを学生たちが利用する実践的な授業があるんですね。ドローン部や生産工学部環境安全工学科に興味を持った方にメッセージをお願いできますか。

武村教授:調査のためにドローンを上空50mぐらいで飛ばしていると、音は小さいですが、高周波の音なので、小さな子どもたちが気づくんです。例えば、幼稚園の先生が子どもたちを連れてお散歩をしているようなときに、子どもが空を指さして、「ドローンだ!」と言うんですね。このように、ドローンという単語自体はずいぶんと広まってきました。しかし、実際に触ったり、接したりする機会が少ないため、さまざまな活用ができることを知らない方が多いのが実情です。この学科は、ドローンを利用した調査や研究、そして環境や安全に興味があれば、非常に楽しく勉強できる環境が揃っていると思います。

最後に、ドローン部の方々の進路や今後やってみたいことを教えてください。

寺嶋さん:将来的には、建物の中で人間が快適に、安全に過ごせるための設備を作る仕事をしたいと考えて、大学院で学んでいます。今後もドローン部の部長として、オープンキャンパスのイベントなどでドローンの魅力を広めていきたいですね。

大内さん:卒業後は建設コンサルタントの企業で働くことになりました。就職活動では、ドローンを利用した3Dモデルを作る調査や研究に興味を持ってもらえました。ドローンは災害で被災した地域をいち早く調査できる利点があるので、そういった社会へ貢献できる仕事にも携わりたいです。

伊東さん:私は、この大学で学んだ環境の大切さを子供たちに伝えたいと思い、地元に帰って理科の先生になる道を選びました。いずれは、ドローン部で経験したことを役立てて、子供たちが楽しみながら学べるようなドローンを使った授業をしたいです。

動画で紹介ドローン部

ドローン部紹介

ドローン部では、オープンキャンパスに協力するほか、通常は体育館などで活動しています。

ドローン部 学外フィールドワーク

ドローン部では、学外でのフィールドワークも行っています。
(映像に入っている文字はコンセプトを表しているだけで、意味はありません。)