日本大学生産工学部 環境安全工学科

学生生活

ある学生の1年間 ~4年生編~

※2020年6月 リモートでインタビュー

進学を決意し、専門性と自信を磨く
4年生は将来の礎を築く大切な時期

日本大学大学院 生産工学研究科
修士課程1年 機械工学専攻(秋濱研究室)
環境安全工学科 環境エネルギーコース(2019年卒)

中村 真菜 Mana Nakamura

私が学んだ環境安全工学科(環境エネルギーコース)では、さまざまな価値観を持った人や、興味ある研究対象・テーマとの出会いに恵まれました。もともと大学進学の前は、将来どんな仕事に就きたいか、定まっていませんでした。そのため、幅広い工学分野を学習できる環境安全工学科は私にぴったりで、ここで興味を持てる物事を見つけられたら、という思いがありました。入学後、土木や建築、化学、エネルギーなど各分野を学ぶ中で、面白いなと思ったのはエネルギーの分野。3年生から始まるゼミでは、エンジン燃焼やすす粒子生成などを研究テーマとする秋濱研究室(秋濱一弘先生)所属となりました。物腰が柔らかく、お話をしやすい秋濱先生には、大学院に進学してからもお世話になっています。

思えば3年生の終わりごろ、卒業後は進学するか、就職するかで迷っていました。一時は就職に気持ちが傾きましたが、先生方との面談、先輩や友人、家族にも相談するとともに、自分自身と向き合いながら、進学を決意します。学部生だった当時、社会に出て自分は何に役立てるのかわからず、ちょっぴり不安な思いがあったんですね。だから、大学院でより専門的な知識を身に着けて実践的な技術を磨き、自分に自信を持って社会に出よう、と心に決めました。

そうして迎えた4年生は、忙しくもあり、充実していた時期でした。前期は週2日、科目等履修生として、大学院生対象の授業5コマに出席していました。進学予定者が申請して許可を受ければ、大学院での授業を1年早く受講でき、進学後の単位としても認定される制度を利用したんです。私の場合、3年生までに卒業研究以外の単位を取り終えていましたから、前期は時間にも余裕があり、この先必要となる機械工学の知識をいち早く身に着けたいと考えました。どの授業も専門的な内容で難しく、課題やテストもあって大変でしたけれど。一方で、大学院進学にあたっては、夏に推薦入試を受けました。面接では研究テーマや構想などを、緊張しながら話したことを覚えています。

後期になると、卒業研究が生活の中心でした。私が取り組んでいたテーマは、エンジン筒内のすす粒子生成計算。この研究の目的は、専用のシミュレーションソフトを使用して化学反応を解析していくのですが、直噴エンジンを搭載したガソリン車が排出する、すすを含む粒子状物質(PM)を減らす方法を探ることです。これが世の中で、どんなことに役立つかといえば、エンジン開発のとき。コンピューターによるPM排出量の予測精度が上がり、計算時間の少ないシミュレーション技術の確立ができれば、環境性能を高めるだけでなく、通常の「モノづくり」では何度かつくりなおす必要がある試作機で検討する回数が減って、コストの削減などにもつながるでしょう。

卒業研究では、狙っていた通りの計算結果が出ると、安心するし、達成感、爽快感がありました。もっとも、シミュレーションソフトによって出た「答え」を用いて、他のデータと比べて妥当かどうか、分析していくことも研究上のポイントです。それは、必ず「答え」が出る勉強との違いだと実感しました。思うような結果が得られない場合は、過去の論文を参考にしたり、先生と議論したりして予測を立てなおし、問題解決を目指します。大学院でも同じテーマを発展させて研究を続けていますが、学部生のときに学んだことはベースになっていて、さらに研究室の後輩を指導してより理解が深まりました。そんなところに自分の成長を感じ、進学する選択は間違っていなかったと思えます。将来は、これまでの研究内容と関連する、自動車関連やIT系の企業で研究員として働けたらと考えています。

ここまで勉強を話題にしてきましたが、4年間の学生生活は楽しかったです。私は入学前から写真部に入りたくて、その願いもかないました! 長期休暇になると一眼レフカメラを片手に、たびたび旅行に行ったのも、いい思い出です。料理教室にも通っていましたよ。勉強や研究に打ち込む一方で、遊びもまた、自分の視野を広げたと思います。本や参考書を読むだけが勉強ではありません。大学には楽しいことがたくさん待っていますよ。

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